
なんだか気分の優れない一日だった。
目覚めたときはそうでもなかったのに、
時間がたつにつれ、どんどんキモチがふさいでいって。
苛々するし、淋しいし、不安だし。
特に理由などないのだけれど。
あたしは普段あまり(というか殆ど)怒ったりしない。
というか、いつもぼんやりしているから、
「怒る」という感情が立ち上がるまでに時間がかかるのかも。
それに「怒り」という負のエネルギーは苦手だし。
(赤ん坊や動物と同じかも?)
だからこんなふうに「イライラする」というときでも、
何かにあたったり、がーっと怒ったりするのが嫌なので、
できるだけ平静を装うとする。
できるだけ笑顔でいようとする。
が。
さすがに更年期近くなってきて、
ワケもなくイライラするという状態が、
寄せてはかえす波のように訪れるようになると、
(それは本当に突然で、しかも全く理由がないから、やっぱりこれは
ホルモンとかカラダの中の変調なのだろうと自覚できるのだ)
なんとか我慢して「平常心」でいることが難しくなってくる。
どんなに気分が優れなくても、やるべきことはたくさんあるし、
それにあれもやりたいしこれもせねば、なんて思っていると、
かえってドツボにはまって落ち込んでいくようなのだ。
180度裏返って、「なーんにもしたくない」というドツボに。
で、最近はそういう時、素直に口に出すことにしている。
「なんだか気分がよくない」と。
今日もあたしがそう言うと、ミメオは笑って「昼寝でもすれば」と言う。
「でもあたし、ここのところ昼寝ばかりしてるでしょう」
と躊躇すると、
「そうか。じゃあ、ちょっと横になるだけでもいいじゃない」と。
うーーん。
とまだ少し抵抗しつつも、
どうせ起きていても「なんにもしたくない」のだから同じことか、
と半ば開き直って寝室に行き、ころりとベッドに横になった。
と。
案の定、すぐに眠ってしまった。
(と言っても、今日はおかしな夢のハナシではありません)
その、とろとろと眠りに入り込んでいく瞬間、
あたしは唐突に思ったのだ。
キモチいいなぁ、と。
眠るのって気持ちいいなぁ、と。
小一時間寝て起きてみたら、だいぶキモチが楽になっていた。
少なくとも「なんにもしたくない」状態からは脱出したもよう。
キッチンに行ってミメオと並んで夕飯の用意をすることもできたし、
ビールをごくごく飲んで、お腹一杯食べることもできた。
食後にちょっと電話があったりして(最近とみに電話というものが嫌いである)
少しキモチがざわついたりもしたけれど、
昼間のような「もうなにもかもイヤ」というほどにはならなかった。
水道を勢いよく出して、食器を洗いながら、
あたしはぼんやりと思っていた。
これはやっぱり「眠り」のおかげなのかなぁ、と。
以前知人は精神科の医師に、
「鬱の時にはとにかく眠って、からだと脳を休めるのが一番」と
言われたそうだ。
なるほどなぁ、と思う。
あんなに気分がウツウツとしている時に、
唐突に「キモチイイ」と思える「眠り」は、
確かに良質の薬であるにちがいない。
と言っても、本当の鬱の場合は、
その眠りを自力で得ることさえ難しいというから、
それはどんなにかしんどいことだろうと思う。
だからこそ薬の助けを借りてでも睡眠をとる必要があるのだろう。
あたしの場合は、
たぶんホルモンなどのバランスが揺らいだときに、
ふいにキモチに負荷がかかる、というようなものだから、
まだこれで済んでいるけれど。
でもたぶん、あたしと同じような年代の女性は、
多かれ少なかれこんな経験をしているのでは。
カラダが疲れたときには、誰もが自然に、
「今日はよく寝よう」とか思うけれど、
ココロが疲れたときに、すぐに「眠り」を思い浮かべることは
あまりないような気がする。
まずストレスを取り除こう、とか、気分転換しようとは思うけど、
それをすぐさま「眠り」に結びつけることはあまりない。
だけど、ココロというのはイコール「脳」でもあるのだ。
よけいなことを考えずに脳を休めるには、
「眠り」が一番手っ取り早いともいえるのでは。
リゾートで、縮こまっていたココロとカラダを、
うーんと伸ばして「キモチいいなぁ」と思うのと同じように、
眠りは、脳内リゾートを作り出す。
そしてカラダとココロをほぐしてくれる。
ワケもなく気分がざわつくような時、
それを自力でコントロールできないような時には、
眠りを有効に使う、というのはひとつの方法なのかも。
「眠る」ことよりもカラダを動かしてキモチを前向きに、
という方法ももちろんあるだろう。
気分がよくないから眠る、というのは、
なんだか後ろ向きのようなイメージでもあるし、
シゴトを持っていたり、主婦だったり母だったりすると、
なかなか「眠る」わけにもいかない、とも思う。
でも、時には思い切って「眠って」みては。
平気な顔をして、我慢ばかりしないで。
◆◇◆
一番いいのは、そういう時に「眠りなさい」と言ってくれる
良き理解者がいる、ということかも。
ええ。
もちろん、ミメオに感謝しておりまする。
ほんと、自堕落な(?)妻でスミマセン。
なんてことを書いていたら、またもや眠くなってきた。
このまま眠り姫(姫?)になったら、どうしませう。
えへへ。


